ネタバレを含みます。「星を編む」を読み終わった。「汝、星の如く」からの続編。前作の主人公、暁海と、その夫、教師の北原草介を中心に物語が進んでいく。前作のもう一人の主人公、櫂が死んだ後の世界。前作で暁海と北原先生は、お互いの暮らしのメリットを第一として、恋愛感情ではない結婚をする。本の終盤、徐々にこの二人は夫婦像を確かなものに変化させていく。十年、二十年と時が過ぎていくうちに。そのとき、ゆっくりゆっくりと、しかし確かに、櫂の存在は小さく、思い出の向こうにある存在となっていく。物語の中で、暁海が櫂との過去の中に戻っている時、北原先生は小さな感情を覚え、その過去の中から暁海を連れ戻そうと手を引くシーンがある。自分はそのシーンを読むことが辛かった。もし死んだ櫂に意思があるとしたら、自身のことは置いて行き、暁海に幸せに、穏やかに生きて欲しいと願うのかもしれない。でも自分は、人に忘れ去られることが怖い。人の中で、自分が小さくなっていくことが怖い。もとより対して他人の中に自分がいるとは思えていないけれど、それでも、外の世界から認識されていない世界線が怖い。そしてなにより、大切な人に、愛している人に忘れられることが怖い。大切な人の中にいる自分を、誰かの手で遠ざかされてしまうことが怖い。どうか、どうか忘れないで。前作「汝、星の如く」にはこういう文がある。『わたしにとって、愛は優しい形をしていない。どうか元気でいて、幸せでいて、わたし以外を愛さないで、わたしを忘れないで。愛と呪いと祈りは似ている。」と。これは暁海のセリフ。でも本作では、もちろん忘れてなんかいないけれど、少しずつ確かに櫂は小さく大切な存在として、心の奥へ奥へとしまわれていく。読む人によっては、そんなに悲しいシーンではないのかもしれない。事実、人の死とはそういうものなのかもしれない。人に忘れられるとは、こういうことなのかもしれない。でも、自分はとても怖い。そして、悲しい。
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번역: Gemma 3(.44) 초벌 + 교정 검수
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