AIを使っているだけでは凄くない
Opus 5.5とGPT 6 Lunaが同じ週に発表され、AIまわりは「ヤバい」の声であふれました。実際に使ってみて、私も性能の高さには驚きました。ただ、会社のAI担当として社内を見渡すと、最新モデルの凄さと組織の効率化はまったく別の話だと実感しました。その理由を書きます。
先日、Opus 5.5とGPT 6 Lunaが相次いで発表されました。noteでも、新しいモデルを紹介・比較する記事がたくさん上がっていました。
個人で使う立場から見れば、その興奮はよく分かります。ただ、AI担当として会社全体を見ていると、少し違う景色が見えてきます。
第1章:凄さは、本物でした
まず、新しいモデルが凄いのは本当です。
社内では、デザイナーとコーダーに早速GPT 6 Lunaを使ってもらいました。私自身もOpus 5.5を使っていますが、コーディングで処理できる量と、その精度には正直驚いています。
第2章:その恩恵を受けるのは、依頼した人だけでした
今回Opus 5.5で作ったのは、グループウェアに入っている月ごとの経営データを自動で吸い上げ、HTMLの資料としてオンラインでいつでも見られるようにするAIです。依頼主は取締役でした。
ただ、この仕組みの恩恵を受けるのは、依頼した取締役だけです。
どれだけ高性能なモデルで、どれだけ精度の高いものを作っても、使うのがその一人であれば、会社全体の効率化にはつながりません。個人のタスクのスピードが上がるのは確実です。でも会社には、まったく違う仕事をしている人が集まっています。それぞれに合うAIは、中身も質も違います。
第3章:営業には、いつものChatGPTとGeminiで十分でした
はっきり言ってしまうと、営業は普段どおりChatGPTやGeminiとやり取りするだけで十分でした。最新のフロンティアモデルは必要ありません。実際に「そんな高性能があっても商談では使いどころがない」と言われました。
それでも、成果はちゃんと出ています。AIを使うことで作業にかかる時間は短くなり、準備段階でのミスも減りました。
一部の若手社員は、AIとのやり取りで得た知識をこまめに蓄積して、やり取りの精度そのものを上げることに成功していました。そのおかげでトラブルに素早く対応できた、という報告も上がっています。
使っているのは、特別なモデルではありません。それでも、現場ではしっかり効率化が進んでいます。
第4章:AIを使っているだけでは、凄くない
この経験から感じたのは、匙加減の大切さです。
誰に、どの仕事で、どのAIを、どこまで使ってもらうのか。この匙加減を考えないまま最新モデルを配っても、「真の効率化」にはつながらないと思います。AIを使っていること自体は、凄くないのです。
任天堂の横井軍平さんの言葉として知られる「枯れた技術の水平思考」という考え方があります。最先端の技術ではなく、十分に普及して安くなった技術を、新しい使い方で活かすという発想です。できるだけ多くの人に広まるのは、シンプルでコスパの良いものなのではないか。今回、改めてそう感じました。
これは、業務の棚卸しと同じ話でもあります。単純な仕事には軽いAIを、判断が絡む仕事には高性能なAIを。会社全体に広げるときほど、この振り分けが効いてきます。
新しいモデルが出るたびに、その性能には驚かされます。ただ、AI担当として考えるべきなのは「どのAIが一番凄いか」ではなく、「この人のこの仕事を、どうやったらより良くできるのか」なのだと思います。
AI担当になった経緯から読みたい方は、本編の第1話からどうぞ。
출처: note 원문
번역: Gemma 3(.44) 초벌 + 교정 검수
원문 보기 | 출처: note.com