「雨の日には、傘があると便利ですよ」
ラジオの番組と番組の間に、1分間の短い番組がある。「暮らしのひと口メモ」というその番組は、いつもこんな調子だ。「ご飯を食べるなら、お茶碗があると便利ですよ」「ペットボトルのジュースを飲む時は、フタを開けると飲みやすいです」「目が乾いたなと感じたら、まばたきするのをオススメします」
要するに「いや、知ってるわ!」というツッコミを心の中でする番組だと思っていた。*
キミはいつも問題を抱えている。その心にはいつも雨が降っているんだ。シトシトと降る日もあれば土砂降りの日もある。いずれにしても僕は、そんなキミに時に共感し、時に解決策を示す。キミは僕に感謝をしてくれるし、僕を必要としてくれている。
まさか「暮らしのひと口メモ」が僕に哲学的な問いをふっかけてくるとは思いもしなかった。
もしも、キミの心が晴れたとしたら。長かった梅雨が明けたとしたら。その時僕は、その役目を終えるのだろうか。晴れの日に傘を差し出しても、ただの迷惑だ。
キミには幸せでいてほしい。それは本当だ。でもその幸せの中に、僕の出番がなくなるとしたら。僕はちゃんと笑って「よかったね」と言えるんだろうか。
やめろやめろ。考えるのはよそう。
その後も、ラジオからは「暮らしのひと口メモ」が流れ続けた。
「散歩をするなら、晴れの日が便利ですよ」
「外に出る時は、靴を履くと便利ですよ」
「日差しが強い時は、日傘をさすと便利ですよ」
……なるほど!
【あとがき】ちょっと調子がイマイチでございます。まあ、いつものことと言えばいつものことですが 笑
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번역: Gemma 3(.44) 초벌 + 교정 검수
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