GPT-6が出たとき、こんなポストが話題になった。Figmaのクローンが30分でできたというものだ。
ChatGPT 6 Pro built Figma clone in 30 minutes pic.twitter.com/lWLqlPPzlM— Wiesław Šoltés (@wieslawsoltes) September 5, 2026
正直、この投稿にはかなり驚いた。
自分がAIを使ってFigmaクローンを作ろうと思っても、要件定義や技術選定、AIのアウトプットのコードレビューなどをちゃんと行うと何ヶ月もかかると思う。
しかしこの人の会話ログを見ると、たった1行の指示だけでハイクオリティなFigmaクローンができている。
むしろ詳細に指示出ししてたら変にそれが制約になってしまって、ここまでのクオリティのものにならなかったとすら思う。
もちろんだからと言ってFigmaがなくなるみたいな短絡的な話ではない。
ただここ1年ぐらいで根本的にステージが変わってきたのを感じる。
Grok Botsの潮流
Grok Botsという常駐型のボット機能が続々とリリースされた。
- Grok Bots: 8/11
- Muse: 9/8
- OpenAI Dots: 9/29
さらにOpenMuse、OpenDots、OpenBot、OpenTagといったOSSが各製品の公開から1日足らずで登場している。
もちろん常駐型のAIエージェント自体は正当な進化の方向性なので、たまたま同じ時期から開発を進めていただけかもしれない。
ただもし仮にGrok Botsを見てから開発を進めたのだとしたら、1〜2ヶ月で模倣品をリリースしたことになる。
Jevの潮流
他の例だと、判断特化モデルのJevが登場したのが9/15。公開から1日で世間ではLaya, Kevといったオープンウェイトモデルが無数に作られた。そして半月経った今はこの有様だ。
- 9/30、Liquid AIが判断特化モデルの「d1」を公開。
- 10/1、Cloudflareが判断特化モデルの「Clef」を公開。
- 10/2、AWSが判断特化モデルの「Strands Decider 2B」を公開。
こちらはやろうと思えばできるが、誰もが思いつかなかった発想の発明に近い。なのでほぼほぼJevが登場してから始まった動きといえ、数週間で公開まで行き着いていると言える。
革新的なアイディアを思いついてその先行者として市場を独占できる期間は、1ヶ月にも満たなかった。
SaaS is Deadの実際
もちろん既存のサービスの代替品自体はこれまでもいくらでもあった話だが、ここ最近は先にあげた例に限らず重厚な製品の模倣品がどんどん公開されている。たとえば最近はAdobeの7製品のクローンが公開されたのが話題になった。ソースコードを見る限り最初のバージョンが作られたのが公開の3日前なので、これらは数日でできた可能性が高い。
これまで優秀なエンジニアたちで何年もかけて作ったコードそれ自体には、もうすでに価値がない時代となってきた。
これまでSaaS is Deadについて考えてきたけれども、自分たちで作るという固定観念にとらわれていてこの潮流が考えついていなかった。
当たり前だが金になるプロダクトのアイディアがあれば競合他社は模倣品を作るし、OSSができる。
そうなるとしっかり要件定義して先行品を作るよりも、他社が作って成功したもののクローンを迅速に作ったほうが筋が良いとまで言える。要件定義のコストもかからないし、失敗のリスクも少ない。
この時代をどう生きるか
正直この時代に責任ある立場でいるのは辛い。
これまでのIT業界は大きく変わることはなく、20年以上の人々の経験則から学ぶことで大きく失敗することはなかった。しかし今は明らかにこれまで正解とされてきた手順や考え方が根本から覆っている。もはや知識や経験は武器どころか足を引っ張る固定観念になりかねない。そんな時代に最終的に何が正解になるかは、自分の考えを信じる他ない。
エンジニアを増やしてしっかりコードの品質を担保するのが正解なのかもしれないし、もはや理解も放棄しAIに完全に任せて素早く開発していくのが正解かもしれない。まだまだSaaSを作るのが正解かもしれないし、根本的にビジネスの根幹を変えるべきかもしれない。
少なくとも時間をかけて作ったものが一瞬で価値を失う時代だという前提でおかないと一瞬で足をすくわれる。
SaaSとして生きる
インターフェースレイヤは一瞬でコピー可能であり、AIエージェントレイヤは世界中の資本が集まり開発が進んでいる。一般企業に勝機があるのはその先しかない。
あとはいかに業務や関係性に根付いた剥がしづらいサービスにするか。いわゆるSoEの領域であったり、ある種FAXがいまだに使われる硬直性を自社サービスに転用できるか。
そして世の中に公開されてない知識・データを元に業務が回っている業界を狙い、そこを抑える。
日本のエンプラを狙う
海外企業の参入障壁となっているのが、日本のセキュリティ要求にいかに応えるかの部分。データが日本サーバに閉じてるだけでなく、AIの推論基盤含めて日本のサーバで行うなどの制約も含めると日本企業でないと太刀打ちしづらい。
ただ自社でやるのが一番セキュリティ面では安心安全なのは間違いない。そのハードル・コストが下がっていく中で、それでもお願いしないとできない価値をどこに作るかが重要となる。
関係性を大事に
新しく何かを導入するよりも、今使ってるものを使い続けるほうが心理的に楽なのは間違いない。自社で同じことができるにしても、辞める理由がなければそうそう辞めることはない。
とは言えソースコードの価値が下がると実質的なSaaS自体の価値も落ちていくため、そのお金を払い続ける必要はあるのかと顧客自身が感じ易くはなる。またMuseやDotsでAIに利用してないサブスクの解約や株の売却を任せる人たちが話題になっている。そうなるともはや関係性抜きに機械的にことが進んでしまうし、これが「私が同じもの作っておくので解約しますね」なんて言い出す日にはどうしようもない話ではある。
根本的に発想を変える
新規サービスを作るにしても根本的にゲームルールが変わっている前提で考える必要がある。
たとえば今まではDBをしっかりPdMやエンジニアが定義し開発をしていた。商品テーブルには名前が文字列であって、賞味期限が数字であって、賞味期限タイプで日月年を選択するなど。それは今までコンピュータで計算可能にするには型がしっかり定義しないといけなかったからで、AIが処理する上ではそもそも商品に対して1つの文章で説明があるだけで良いかもしれない。検索も判断特化モデルを全データに対して行う形になるかもしれない。UIもAIがデータに合わせ動的に生成する形になるかもしれない。
そんな感じで根本的な前提条件が変わり、今まで当たり前に行われていたもの自体に別の選択肢が生まれているものは多い。
仮にそれで斬新なサービスが思いついてもそれ自体はすぐ真似できてしまうものかもしれないが、少なくとも日々の思考の中で今まで当たり前としてきた前提を疑い続ける必要はある。
ということで
ある程度今の状況に合わせて想像し戦略をたてれるが、どれも「こうならなければいける」という条件付きのものばかりだ。
その上でどうするかは決めの問題でしかないため、自分選んだ戦略がどうなったら破綻するかを理解しつつ情勢を見ながら機動力高く対応してくのが一番だろう。
출처: note 원문
번역: Gemma 3(.44) 초벌 + 교정 검수
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